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ナレッジ 2024-09-25

カップルドCMSとヘッドレスCMSの違いと選び方

akira

CMSの仕組みや特徴を理解することは、ウェブサイトやアプリの開発や運営において重要です。どのCMSにもメリットとデメリットがあり、開発者やサイト運営担当者は現在抱えている課題に応じて最適なCMSを選択する必要があります。今回は、次世代型のCMSとも呼ばれているヘッドレスCMSの仕組みや特徴を紹介し、メリット/デメリットや選び方について解説します。ヘッドレスCMSとはどのようなものなのかを知りたい方や、利用を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

従来型のCMS(カップルドCMS)の仕組みと特徴

まずは従来型のCMSについて説明します。WordPressに代表される従来型のCMSは、コンテンツを表示するフロントエンドと、コンテンツを入稿するためのバックエンドで構成されています。この二つの機能が合わさってCMSとして機能するため、カップルドCMS(Coupled CMS)と呼ばれています。

CMSの中にウェブサイトの運営や管理などに必要な機能がひと通り備わっており、専門知識があまりない方でも扱いやすいのが特徴です。また、コンテンツそのものとデザインが一体となった形で管理されており、コンテンツの作成とデザインの変更を同時に確認しながら行うことができるため、直感的に編集作業ができるのも大きな魅力です。

カップルドCMSの欠点は柔軟性に欠けることです。フロントエンドとバックエンドが密接に結びついているため、改修を加える場合はお互いに影響が出ない範囲でしか変更できません。制約ありきで開発を進めるため、理想のデザインや機能にできなかったり、変更を加えることができなかったりするケースもあります。

ヘッドレスCMSとは?

ヘッドレスCMSとは、ヘッド、つまりフロントエンドがないCMSです。カップルドCMSとは違い、フロントエンドとバックエンドが切り離されたアーキテクチャになっており、それぞれAPIを介してコンテンツデータのやり取りが行われます。

ヘッドレスCMSの利点は、柔軟性と拡張性です。ヘッドレスCMSでは、APIをベースにコンテンツを表示させるので、さまざまなデバイスやプラットフォームに対応できます。また、自由にフロントエンドを構築できるため、ユーザーエクスペリエンスの向上や革新的なデザインの実現も可能となります。

ヘッドレスCMSの欠点は開発レベルの高さです。ヘッドレスCMSでは導入の際に、フロントエンドとバックエンド双方の技術や、API連携に関する知識が必要です。また、コンテンツのプレビューや管理画面の設定が必要となるため、エンジニアの負担が大きくなることが欠点として挙げられます。

カップルドCMSとヘッドレスCMSのどちらを選ぶべきか

ウェブサイトやアプリなどを制作する上で、適切なCMSを選択することは非常に重要であり、プロジェクトの予算や開発リソース、将来性などを考慮し、慎重に検討することが求められます。

1. プロジェクトの予算

まずはコストが見合うかどうかを考える必要があります。前述の通り、ヘッドレスCMSでは開発コストが高くなる傾向にあります。さらに、ヘッドレスCMSではサービス利用料が発生し、また費用も比較的高額であることが多いです。ヘッドレスCMSには柔軟性や拡張性のほかにも、セキュリティの強固さやパフォーマンス向上などのさまざまなメリットがありますが、プロジェクトの要件にそのようなものがなく、投資対効果がなさそうなウェブサイトやアプリであれば、無理にヘッドレスCMSを導入する必要はありません。

2. チームのスキルセットとリソース

カップルドCMSとヘッドレスCMSの選択において重要な要素の一つが、チームのスキルセットとリソースです。カップルドCMSでは専門知識やスキルがなくても、使い方さえわかれば問題なく基本的な編集や更新の作業が可能です。ただし、デザインとコンテンツが密接に結びついているため、コンテンツを編集している際にデザインが崩れてしまうこともあります。そのため、コンテンツ制作者がある程度デザインスキルを持っていたり、コンテンツ制作者とデザイナーが連携しやすい体制を整えたりする方が安心です。
一方、ヘッドレスCMSを導入する際はフロントエンドを開発するエンジニアが必須です。また、UIの部分だけではなく、APIの設計・連携の知見も必要であり、幅広いスキルセットが求められます。フロントエンドの開発の自由度が高い分、高い技術力が求められます。プロジェクトにはどのような開発リソースがあるのか、チームにはどのような専門知識が備わっているのかを考慮し、CMSの選択肢を絞っていくことが重要です。

3. 将来の拡張性やカスタマイズ性

プロジェクトの将来の成長や変化に合わせて、CMSが柔軟に対応できるかどうかも考慮に入れる必要があります。「アプリやIoTデバイスなど、多様なデジタルプラットフォームでコンテンツを活用したい」「ユーザーのニーズに応じて今後も機能を追加していきたい」などの要件があれば、ヘッドレスCMSを選択することをおすすめします。

さいごに

今回はカップルドCMSとヘッドレスCMSの仕組みや特徴、選び方についてご紹介しました。この記事を読んで次に入れるのはヘッドレスCMSが良さそう、と思った方は、フェンリルが提供するヘッドレスCMS「NILTO」も候補の一つとしていただければ幸いです。NILTOについてご質問、ご不明点などがございましたらお問い合わせページからお気軽にご連絡ください。よろしくお願いいたします。

akira

マーケター

NILTOのマーケティングを担当。
NILTOの魅力を伝えられるマーケッターを目指しています。
趣味は釣り、山登り、ランニングです。