NILTO

リリース情報 2023-12-25

ヘッドレスCMS「NILTO」正式サービス開始しました

nishida

こんにちは。NILTOの事業責任者とプロダクトマネージャーをやっている西田です。

本日、NILTOの無料プランを正式にサービス開始しました。ぜひアカウント登録していただいてお試しください。Xなどでご意見ご感想いただけると嬉しいです。

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スペシャリストチームのためのヘッドレスCMS

NILTOは柔軟なコンテンツ設計と堅実な運用を両立するヘッドレスCMSです。

私たちが設計においてフォーカスしたのは、デザイナー・編集者・エンジニアからなるスペシャリストチームです。表現に妥協したくないデザイナー、ミスなく効率的にコンテンツ制作したい編集者、チームの理想を実現したいエンジニア。NILTOはこういったチームの理想を実現し、創造的なコンテンツを効率よく生み出し続けるためのチームワークを支援します。

開発のきっかけは自社利用でのジレンマ

NILTOを開発するきっかけとなったのは、自社ウェブサイト運用の現場に関わるなかで直面したジレンマ。

当時、CMSにHTMLコードを直接入力するような運用をしていました。当然、非エンジニアの運用メンバーは編集に苦労していて、コードが壊れるたびにエンジニアがサポートに入り、非効率でした。

その背景にあるのは、これまでのCMSのコンテンツエディターでは実現したいデザインを運用できなかったということ。HTMLコードを直接入稿する運用をせざるを得ませんでした。

デザインを優先すると運用が犠牲になり、運用を優先するとデザインが犠牲になる。これが私たちが直面したジレンマです。二者択一ではなく、どちらも両立できる選択肢がほしい。それがないなら、理想のCMSを自分たちで作ろう。こういう想いからNILTOのプロジェクトをスタートしました。

新たに考案した『フレキシブルテキスト』

ジレンマの原因は、多くのCMSで本文入稿用に使われているリッチテキストエディターにありました。

リッチテキストエディターでは文章に適用可能な書式が固定化されています。一般的なニーズの公約数的な書式しか扱うことができません。また色や文字サイズを編集者が自由に設定できてしまうため、デザイナーが意図しないスタイリングが行われてしまう問題があります。これはデータとビュー(表現)を疎結合にしているヘッドレスCMSの良さを打ち消すことにもなっています。

これらの問題を解決しヘッドレスCMSにふさわしいコンテンツエディターとして、創造的で自由なデザインと効率的で快適な編集体験を両立するフレキシブルテキストを考案しました。

フレキシブルテキストでは、書式を自由に定義して独自のスタイルを適用することができます。引用ブロックやh2などの表現を複数使い分けることも可能です。さらに吹き出しレイアウトのような、ネストした書式も簡単に定義できます。

コンテンツ編集時には、予め定義された書式だけがツールバーに表示されるため、デザイナーが意図したデザインを崩す心配がなく、ワンクリックで適用することができます。UIをみるだけでやるべきことがわかるため、運用マニュアルも不要です。

フレキシブルテキストで生成されたデータとウェブサイトのフロントエンドは、HTMLタグ要素やCSSクラスを通じて連携します。これにより、データとビューを疎結合にするというヘッドレスCMSのコンセプトを継承しています。

初期企画から紆余曲折して2年半

CMSサービスを新たに自社開発するという企画を最初に出したのが2021年6月。そこから今日まで、実に2年半かかっています。フレキシブルテキストのコンセプトは最初からあり、トントン拍子で事業化の流れができたため、プロダクトもすぐにリリースできるだろうと軽く考えていました。

しかし実際に開発を始めてからは苦労の連続でした。

私たちがCMSとしてつくっているものは、実際にはCMSをカスタマイズできるシステムであり、「メタCMS」と言えるものです。様々なCMSのニーズに対応するため、高い柔軟性が必要で、データ構造は非常に複雑です。加えてフレキシブルテキストがより複雑さを増す要因となっています。

このプロダクトは、私たちの理想を追求するところから始まりましたが、同時に多くの人にも喜んでもらえるプロダクトにしたいという想いも強く持っています。顧客ニーズを知るたびに、より高い価値を提供できるポイントがどんどん見つかり、それを取り込む形で仕様が変化していきました。

今振り返ると、当初考えていた仕様は非常に漠然としており、つくりながら、つくりたいものが徐々に明確になり、市場理解が進むに連れて、どこに着地すべきかがわかるようになってきました。現在は、当初想定よりもかなり複雑なシステムになっています。

初期設計の延長線では続けるのが難しくなったため、1年前の時点でこれまでのソースコードをすべて捨てて完全に作り直すことになりました。

もし私たちがスタートアップだったら、とっくに資金が尽きて、日の目を見ること無く終了していたかもしれません。幸運にもNILTOは、プロダクトの体験価値を徹底的に追求するフェンリルの社内新規事業として始まりました。だから想定を大幅に超えてプロジェクトが長期化しても、経営の支持を失わずに、体験価値の追求を続けることができています。

ここまで時間がかかった分、これから多くのユーザーに喜んでもらうプロダクトに成長していく下地は十分にできたと感じています。 この下地はただコードベースができたというだけではなく、私を含めたチームがこの2年半で大幅に成長し、プロダクトと事業の成長を加速していくことができるということでもあります。

NILTOの今後

実用可能なところまでは来ました。このブログもNILTOのフレキシブルテキストで入稿していて書き心地は最高です。今後のブログ記事でNILTOの活用方法や使いこなし術などノウハウ情報を発信していきます。同時にフレキシブルテキストならではの表現もお見せしていきます。

ただし、品質面ではまだまだ足りていない部分があります。引き続き品質改善に力をいれていきます。また、重要な機能追加も予定しており、それらを実現させてNILTOを進化させていきます。

私たち自身がヘビーユーザーとしてNILTOを使い込んで、セルフフィードバックしていきます。同時にユーザーの皆さんとこのNILTOを育てていきたいと考えています。ぜひご意見ご要望を公式Xアカウント問い合わせフォームにお寄せください。

NILTOを共に育てていくメンバー募集中

最後に、NILTOを共に育てていくメンバーを募集しています。現在、以下の2職種で募集中です。興味のある方はぜひご応募ください。カジュアル面談からでも歓迎です。

nishida

事業責任者/PdM

NILTOの事業責任者とプロダクトマネージャーをやっています。
Figmaで新機能のプロトタイプをつくる時間が癒やしです。
手に馴染むデジタルの道具でユーザーを静かに熱狂させたい。